相談したい時は

家族間、あるいは親戚や知人など第三者を含めた「遺産分割」のトラブルは年々増加の一途をたどっており、社会や家族の在り方の変化とともにさまざまな事例が報告されています。遺産のある所ならどこにでも起こりうる問題で、子供から高齢者まで誰もが無関係ではありません。


不必要に争わず、誰もが円満に問題を解決するためには何より「弁護士」の介入が有効です。遺言書などを作っておいて事前に準備しておくことはもちろん、被相続人が亡くなった後でも弁護士に間に入って貰うことで複雑な手続きはぐっとスムーズになります。


比較的起こりやすい問題としては、遺言書がないのに遺産だけ残されている場合や、兄弟や親戚が多い家庭、あるいは故人の残した財産が不動産であったり、故人が特定の相続人に贈与をしている可能性があるなどのケースです。これらは非常に多いトラブルですが、素人が話し合って解決するには難しい部分があったり、新たな揉め事を引き起こしかねないケースでもあります。


弁護士だけに限らず、税理士・司法書士・不動産鑑定士などに遺産問題を相談することもできます。税理士の力が必要になる場合は、基本的に税目についての相談が主となりますが、これは相続税や贈与税、有価証券や不動産などの申告を相続者だけで行うには困難をきたす場合になります。


また、司法書士は土地などの名義を変更する場合や、相続人について改めて確認したい時、裁判所へ提出する書類の書き方を尋ねたい時に相談します。不動産鑑定士は土地の適切な価格を知りたい時にお願いするかたちとなります。


しかし弁護士にも得意分野があり、複雑な相続問題を円満に解決するには経験や実績、事務所として相続問題に強いかを基準に選ばなければ、「依頼したが問題がさらにこじれてきた」「適切な回答が得られず、一向に解決しない」などのトラブルに発展することも少なくありません。相続でトラブルが起きつつあるが、誰に相談したらいいか分からないという場合は、まずはお住まいの都市のサポートセンターへ連絡をしてみると良いでしょう。または弁護士へ直接話を伺って、必要に応じて税理士や司法書士などの専門家につないで貰うという方法もあります。


相続の放棄


「相続の放棄」とは、被相続人が亡くなり故人となってから、その家族や配偶者が3ヶ月以内に家庭裁判所に申立することによって、遺産の相続を全面的に拒否する意志を示す手続きです。少々複雑なようにも思えますが、要は相続開始から3ヶ月以内に拒否をすれば相続放棄となります。


相続放棄をするには、相続開始を「知った時」より3ヶ月以内に、家庭裁判所に相続放棄申述書を提出しなければなりません。この知った時というのが難しいところですが、できるだけ速やかに申請ができるよう、相続権を持つ方はあらかじめ準備しておく必要があります。一度相続放棄が行われると放棄者の子供からそれ以降に続けて相続は行われません。したがって、故人が残した遺産も債務も放棄者以外の相続人が分割するか、または全員が一括して放棄することになります。


相続放棄は一度受理されると、特別な理由がない限り放棄を撤回して承継し直すことはできません。故人に借金や債務が残されている場合、きちんと完済できる能力がある方が代わりに相続しなければ、その後も借金が下位の順位の者に繰り越されてしまいます。ですのでマイナス分を相続する際はさらに慎重に事を進めなければなりません。場合によっては相続人となる全ての者が相続放棄をする必要があります。


相続放棄の申請が裁判所に受理されると、裁判所からは正式に申述を受理しましたという通知書と「相続放棄申述受理証明書」の申請用紙が送付されます。借金などがあって金銭の支払いをしなければならない金融機関や取り立て業者に対しては、この相続放棄の証明書を必ず送付し、了承を得なければなりません。もしも複数の機関にまたがって債務がある場合は、相続放棄申述受理証明書の原本のコピーを各債権者に送付します。「親や旦那の残した借金なんだから私には関係ない!」と言って無視したくもなりますが、このような手続きを踏まなければ引き続き取り立てや督促が続きますので、相続放棄から証明書の送付まで確実に済ませておきましょう。


相続放棄ができない場合

放棄は誰にでもできるものですが、場合によっては【不可】となるケースがあります。それは、相続の開始を知ってから3ヶ月が経過してしまった場合と、被相続人の遺産の全部か、その一部を処分した場合です。